Nikon ワイヤレストランスミッター WT-5 レビュー

  • 2012/10/18 (木) PM 22:25

WT5-DSC_4872
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm



Nikon ワイヤレストランスミッター WT-5 (Amazon) のレビューです。
対応機種の少なさから、レビュー記事を殆ど見かけなかったので、自分で購入するまでは仕様も分かりませんでした(^_^;)
この手の商品は、ニコンの商品ページで探しても大した情報を得られないので、せめてPDFマニュアルぐらいは公開してほしいですね。

Nikon ワイヤレストランスミッター WT-5
価格 67,200円(税込み)
準拠規格  IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n
通信距離
(見通し)
約180m
無線LAN APに大型アンテナを装備している場合。通信距離は遮蔽物や電波状態により影響されます。
データ転送速度 
(規格値※)
IEEE802.11a:54M/48M/36M/24M/18M/12M/9M/6Mbps
IEEE802.11g:54M/48M/36M/24M/18M/12M/9M/6Mbps
IEEE802.11b:11M/5.5M/2M/1Mbps
IEEE802.11n (HT20):Max 72Mbps
IEEE802.11n (HT40):Max 150Mbps
セキュリティ 認証方式:オープンシステム、共有キー、WPA-PSK、WPA2-PSK
暗号化:128/64bit WEP、TKIP、AES
無線設定 WPS対応
アクセス方式 インフラストラクチャーモード、アドホックモード
通信プロトコル PTP-IP、FTP、SFTP
消費電力 最大 約1.2W
質量 約27g(WT-5本体のみ)
外形寸法 約32.0mm(幅)、41.5mm(高さ)、30.0mm(奥行き)
※表示の数値は、規格の理論上の最大値であり、実際のデータ転送速度を示すものではありません


WT5-DSC_4885
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
ミサカ妹とサイズ比較


WT-5は、WT-4の後継機で、通信速度が速くなり、価格は半値近く下がり、電源はカメラからの給電により小型化も実現しています。
撮影した画像をPCに送るだけなら、Eye-Fiカードという安価で便利なものがありますが、 WT-5はそれ以上の機能を有しています。

WT-5のネットワーク機能(動作モード)
FTP画像送信モード メモリーカードに記録した静止画、動画、撮影直後の静止画をPCやFTPサーバーに保存出来ます。
PC画像送信モード
カメラコントロールモード  別売りのCamera Control Pro 2で、カメラをコントロールしたり、撮影した静止画及び動画をパソコンに保存したり出来ます。
HTTPサーバーモード PCやiPhone/iPadなどのWebブラウザーからメモリーカードに記録した静止画の閲覧やリモート撮影が出来ます。
連動レリーズモード マスターカメラのレリーズに連動して、複数のリモートカメラをレリーズさせることが出来ます。

Eye-Fiカードは基本的にカメラのカードスロット内にセットして使うため、カメラボディにより電波が若干遮蔽される形になります。※ボディの素材にもよる。
WT-5はカメラの拡張端子に装着する構造上、電波の飛びが良いのです。マニュアルの仕様には見通し距離で約180mとのこと。
また、HTTPサーバーモードで使えば、撮影した画像をiPhoen/iPad/ノートPC等のWEBブラウザーで閲覧可能。更にリモート撮影まで可能。

現行の対応機種は、Nikon D4のみですが、通信ユニット UT-1に組み込む事で、D800シリーズ・D7000にも使う事が出来ます。


WT5-DSC_4886
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
カメラ本体への接続は、取り付けダイヤルを回すことで固定されます。


本体の真下には製造番号とストラップが通せそうな穴がある。

WT5-DSC_4880
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4879
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4883
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
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60.0 mm
WT5-DSC_4882
Manual
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ISO 200
1/13 sec
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0 EV
60.0 mm


WT5-DSC_4875
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
端子カバーは、スッと抜けやすい。


WT5-DSC_4930
Manual
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ISO 200
1/8 sec
f/10.0
0 EV
60.0 mm
一円玉27枚と同じ重量


Nikon D4の拡張端子に取り付けるので、出っ張りが気になります。
また、取り付ける事により、ヘッドホン端子が塞がります。

WT5-DSC_4887
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4889
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm



Really Right Stuff社のLプレート(BD4-L)との組み合わせも試してみました。Lプレートを最大にスライドすると取り付けられる。
あと、KIRK社のNikon D4専用L-ブラケットもWT-5に対応しているみたいです。

WT5-DSC_4893
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm



Lプレート装着してたほうが、保護代わりになりそう。
室内での物撮りは、この状態で使っています。

WT5-DSC_4897
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4898
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm



WT-5の通信モードは2種類から選択出来ます。
  1. インフラストラクチャーモード
    無線LANアクセスポイントを経由してパソコン等に接続する方法
    (WT-5) ←→ (無線LANアクセスポイント) ←→ (パソコン/iPhone/iPad等)
  2. アドホックモード
    無線LANアクセスポイント無しで直接パソコン等に接続する方法
    (WT-5) ←→ (パソコン/iPhone/iPad等)

外で撮影するシーンなどでは、アドホックモードが活躍します。
モバイルルーターが無しで他のデバイス(iPhone/iPadやノートPC)からリモート撮影・ファイルの閲覧・ダウンロード等が出来るので、とても便利です。

カメラロール-1203
アドホックモードで、HTTPサーバーモード接続


ファイル送信の大まかな流れは、撮影後メモリーカードに記録した動画、静止画(RAW+JPEG)ファイルをPCやFTPサーバーへ送信します。(送信マーク付きファイルが対象)
任意のファイルを選択、または撮影後自動送信で送ることが出来ます。
メモリーカードに記録したファイルしか送信出来ないので、メモリーカード無しには送信出来ません。
また、PC画像送信モードを使う際、「Wireless Transmitter Utility」でPCとカメラのペアリングが必要です。

WT5-DSC_4906
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4908
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4910
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
送信待ち
上部に(白)矢印のアイコン表示
送信中
上部に(緑)矢印のアイコン表示
送信済み
上部に(青)矢印のアイコン表示


WT-5がネットワークに接続中は電波感度を確認出来ます。
ネットワーク設定画面や、info画面上に表示されます。

WT5-DSC_4911
Manual
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ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT5-DSC_4915
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
右下に携帯電話と同じ様なアイコンで感度確認 バッテリー残量の上に ((T)) で表示


PC画像送信モードにて、それぞれの転送速度を測ってみました。
測定に使用した主な機材は以下の通りです。

・CFカード:SanDisk ExtremePro 90MB/s UDMA 6 64GB (Amazon)
・ルーター:BUFFALO WZR-HP-AG300H(11n/a Link) (Amazon)
・ノートPC:EPSON Endeavor NA801 ※ギガビットLANでルーターと接続


WT-5の転送速度を測る前に参考値として、Eye-Fiカードの転送速度を測ってみました。
Nikon D80 に Eye-Fi Pro X2 8GB (Amazon) を挿入してRAW+FINEで撮影、ルーター経由でノートPCへ送信します。
一応、11n対応なのですが、やはり速くないですね。JPEG画像の転送用途で使い続けていましいたが、RAW撮影メインで使うには時間が掛かりますね。

WT5-DSC_4922
Manual
No Flash
ISO 200
1/8 sec
f/10.0
0 EV
60.0 mm
Eye-Fi
Eye-Fiカードとのサイズ比較 約12Mbpsの転送速度


ここから、Nikon D4を使っての測定です。
D4には有線LAN(100BASE-TX)を搭載していますが、ギガビットLANでないのが残念。しかし、今回の転送速度比べでは最速値を叩き出した。
カメラから伸びたLANケーブルに足を引っかけそうなので、個人的にはあまり使わないかな。無線が使えない環境下では重宝すると思う。

WT5-DSC_4940
Manual
No Flash
ISO 200
1/10 sec
f/10.0
0 EV
60.0 mm
Ethernet 100BASE
接続中はアクセスランプが点滅 約60Mbpsの転送速度
WT-5より約20Mbps高速でした。


有線LANに比べると速度的に劣るものの、それなりに安定した速度を出しています。

WT5-DSC_4891
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/8.0
0 EV
60.0 mm
WT-5 WiFi 11n/a
接続中は緑LEDが点滅 約40Mbpsの転送速度


D4の有線LANポートに、手持ちのマルチポケットルーターを接続して、安価にワイヤレス化してみました。
モバイルルーターは数千円程度で入手可能なので、バッテリーとの組み合わせ次第でWT-5の1/10程度のコストで構築可能。
一例として、MZK-MF300NをConverterモードにすれば、他の無線アクセスポイントと接続出来ます。
IEEE802.11n:最大300Mbps(40MHz)に対応しているのが、高速化に寄与していると思われます。

WT5-DSC_4945
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/10.0
0 EV
60.0 mm
MZK-MF300N Ethernet  to WiFi 11n/g/b
無理矢理感が否めませんが、コスパは高いです! 約52Mbpsの転送速度
WT-5より約12Mbps高速です。


ワイヤレス化に用いた機材一式です。
・eneloop KBC-L2B (Amazon)
・PLANEX MZK-MF-300N (Amazon)
・PLANEX SSOP-USB02(USB給電ケーブル) (Amazon)

WT5-DSC_4949
Manual
No Flash
ISO 200
1/13 sec
f/10.0
0 EV
60.0 mm



WT-5をアドホックモードにして、HTTPサーバーモードでiPadから接続してみました。
指定されたURLにアクセスしログインすると、以下のトップ画面に辿り着く。※有線LAN接続でも以下の機能は使えます。

カメラロール-1199


撮影&ビューアーでは、静止画及び動画撮影がブラウザー上で操作可能になる。
LVボタンをタップすると、ブラウザー上でライブビュー表示される。(カメラ本体側の液晶はライブビュー表示しない)
また、タップした箇所がフォーカスポイントになる。

カメラロール-1207 カメラロール-1210
静止画撮影モード 動画撮影モード


サムネイル表示は、幾つかの表示スタイルを選べる。
一覧数を変更出来るが、弄ってるうちに表示が崩れてくる・・・

カメラロール-1202 カメラロール-1201


動画撮影したファイルも再生可能。
ただし、テストした限りでは直ぐにコマ落ちになってしまい、見るに耐えられなかった。
プレビュー再生するより、ダウンロード再生したほうが良いだろう。

カメラロール-1212 カメラロール-1213
動画ファイルは、アイコンで判断出来る ブラウザー上で再生可能。フル画面表示も可能


再生途中にページ戻りや、ダウンロードからページ戻りしてると、元のページがうまく表示出来ない事が度々あった。
HTTPサーバー自体の問題なのか、iPadの問題なのか切り分けはしていません。

カメラロール-1204 カメラロール-1205
RAW画像(NEFファイル)をサムネイル表示 ダウンロードすると、どのアプリで開くか聞いてくる


実際に動作してる動画も編集してみました。
撮影から転送完了まで速く終わるので、室内での物撮りで大いに役立っています。
動画でも紹介していますが、Adobe Photoshop Lightroom 4 (Amazon) の自動読み込み設定を(入)にしておけば、撮影しながら現像作業に即移れます。
メモリーカードを抜き差しせずにWT-5でRAW画像を転送し、Lightroomが自動で読み込んでくれるので、作業ロスが殆どありません。便利過ぎます!




WT-5はカメラ本体からの電源供給により動作しています。WT-5装着によりバッテリー消耗が激しいと感じたことは今のところありません。
ただし、WT-5動作中はユニット本体がほんのり暖かくなります。
今回は、CFカードを使いましたが、XQDカードだと転送速度にどの程度影響するのか試してみたいですね。
以上、Nikon ワイヤレストランスミッター WT-5のレビューでした。



関連リンク
ホビー/グッズ販売 通販ショップの駿河屋 ブックオフオンライン【PC・携帯共通】

Comments:1

Smithd638 2014-05-02 (金) 04:13

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